人のセックスを笑うな (河出文庫 や 17-1)

  • 河出書房新社 (2006年10月5日発売)
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本棚登録 : 5383
感想 : 801
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この本のことはずっと前から知っていた。
でも読むことになるとは思っていなかった。
タイトルの真剣な響きに気後れして遠巻きにしていたのだ。
でも山崎ナオコーラさんの小説を読むならやっぱりこの本から読みたかった。
そして読み終わった今は読んでよかったなと思う。

すごく優しい物語だと思う。
距離感というか、間合いというか、相手を尊重して離れていてくれる、ほっといてくれる恋。いや、愛かな。
ぼんやりした好意が恋になって、執着になって、愛になる。
離れてあげられる愛。
離れていても終わらない愛。
愛とはそういうものなのかもしれない。
たぶん愛になれずに終わってしまう恋がとても多いんだろうな。

そしてもう一つ、すごく正しい物語だと思う。
どうしてこの人が好きなのか?
好きになってしまったらわからなくなるこの問いに、唯一の正しい答えが書かれているように思う。
これが本当なんだろうな、と感じる。
その答えの正しさにほっとする。
良かった。大丈夫。心が救われるような感覚。

短くてさらりと読めてしまうけど、きっといつまでも心に残る。
そんな物語だと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2013年3月10日
読了日 : 2013年3月10日
本棚登録日 : 2013年3月10日

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コメント 2件

まろんさんのコメント
2013/03/11

本も映画もとても気になっていたのですけれど
takanatsuさんと同じく、私もタイトルに気後れして遠巻きにしてました。
こういうところでシンクロしているのが、うれしかったりして♪

他ならぬtakanatsuさんが「正しさに救われた」とまで書かれているので
これはぜったいに読まなくちゃ!と勇気(?)が出ました。
ありがとうございます♪

takanatsuさんのコメント
2013/03/12

まろんさん、コメントありがとうございます!
「私もタイトルに気後れして遠巻きにしてました。」
まろんさんと一緒だととても心強い(?)です!
とても印象に残るすごいタイトルだとは思うんですけど、ちょっと近寄りがたいものがありました…。
「これはぜったいに読まなくちゃ!と勇気(?)が出ました。」
まろんさんのレビュ楽しみです!

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