もう返す言葉もありません。
ぐうの音も出ません。
自分がどれほど臆病だったか思い知らされてしまいました。
真っ直ぐな坂木さんと無愛想だけど相手を無視しない鳥井さん、そんな2人が他人に言えない悩みを抱えた人の秘密を暴き、1人じゃ解決出来なかった問題を一緒に考えてくれる。
坂木さんは優しく微笑み、時に涙ぐみながら。鳥井さんは迷惑そうだけど、実は誰より相手の気持ちに寄り添っている。
そして相手の抱える問題が明らかになるにつれて、その問題を薄々知っていて見てみぬふりをしていた自分の姿を突きつけられる。
1人で解決出来る問題なんて本当は存在しない。
なのに他人の悩みや問題に手を出すことに脅えているんだ。
誰かの内に踏み込むことをおそれているんだ。
拒絶されることだったり、飲み込まれることだったり‥いろんなことを怖がっている。
相手を受け入れることも、相手に自分を受け入れてもらおうとすることも、どっちもすごく勇気のいることだって知っていた。
でも知らないふりをしていたし、そんな相手がいないって目をそらしていたと思う。
「僕は裏切らない!」
坂木さんのように確信を持って叫べたら、
「もう、真一が幸せでない限り、私は幸せにはなれないんだよ」
こんな言葉を心から言えたら、その1点においては自分を信じることが出来るのに。
私も絶対揺らがない何かが欲しい。
そして坂木さんと鳥井さんの関係が何があっても揺らがない安定したものになりますようにと願ってしまう。
続きが読みたいけど、ちょっと読むのが怖い気持ちもあり…。
- 感想投稿日 : 2013年1月3日
- 読了日 : 2013年1月3日
- 本棚登録日 : 2013年1月3日
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