サロメ・ウィンダミア卿夫人の扇 (新潮文庫)

  • 新潮社 (1953年4月10日発売)
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本棚登録 : 589
感想 : 58
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『サロメ』不気味で面白い話だった。狂気に満ちた悲劇。でも他の二作よりは印象が薄かった。

『ウィンダミア卿夫人の扇』凄く面白かった。鮮やかに展開されるドラマの中で捩れてどうにもならなくなったかのような悲劇的な運命が、最後に鮮やかにハッピーエンドに帰着するという物語の巧みさが凄いと思った。ウィンダミア卿夫人が、アーリン夫人と接する中で次第に心情を移ろわせて行く様子も興味深く、箴言や逆説の中にもワイルドのセンスが光っていた。

『まじめが肝心』これが一番好きだった。まるで幾何学的に積み上げられたかのように鮮やかに場面が展開する喜劇であって、そしてラストでは綺麗に落とす。喜劇として非常に面白かっただけでなく、登場人物のキャラも非常に立っていてついつい引き込まれてしまう。箴言や逆説も冴え渡っていて、非常にウィットに富んだ表現も多くてついクスリときてしまう。絶妙な機微を備えた作品だと思う。凄く気に入った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2013年11月9日
読了日 : 2013年11月9日
本棚登録日 : 2013年11月9日

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