キリスト教者の話とは思っていなかったので意外。
文学文学したこのような文体で虚ろになった無感覚、弱反応の人物の一人称というのがしみてくる。
私の大好きな安部公房の作品のにおいがする(手記、という点もそのにおいを濃くしている)。
まがまがしい色使いの水墨画とでもいえるか。
にしても。
私のじいさん世代はホント、よくあんな戦争を生き延びてくれたものだ(もちろん亡くなった方々も多いが)。
ひるがえって、自分なぞにはこの小説に出てくるような状況で生き延びられるとは到底思えない。
閉塞感満載の作品なのに、なぜか強い生命力を感じさせられた。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2017年8月18日
- 読了日 : 2017年8月18日
- 本棚登録日 : 2017年8月18日
みんなの感想をみる