「ひかりのあしおと」神経症的な、『世にも奇妙な物語』的な話。自分を襲おうとする光の人影のきっかけがただの悪戯だった事が判明した後もそれから逃れられず、光の人影という怪物を造り出したのは自分自身だと思っていたら、実は光の人影は自分を救おうとしていて、怪物は自分自身だったというどんでん返し。
「ギンイロノウタ」関心を持たれず、何も出来ない駄目な子供と貶められ、萎縮して育った主人公の生き延びていこうとするもがき、って感じで読んでたんだけど、“私が選ばれた人間だからだ”と何かに目覚めたみたいな展開はよく分からず。
『タダイマトビラ』と立て続けに読んでいて、三編の主人公は何れも家庭環境に問題があって、ともすればそこに帰着してしまうようにも見えるのだけれど、或いは上手く作動せず、統御できず、不具合を抱える「自分」というシステムへの異和感、異物感というようなものに彼女達は苦しみもがいているようにも感じられる。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2019年1月7日
- 読了日 : 2019年1月6日
- 本棚登録日 : 2019年1月7日
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