天国旅行 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2013年7月27日発売)
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感想 : 399
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森の奥…「心配してくれるひとが一人もいないまま生きていくってのが、どんなことなのか」、この言葉が胸に深く突き刺さった。想像を絶する孤独を抱えて寂しさから抜け出せないという地獄。
遺言…捉えどころのないご主人とエキセントリックな奥様。
初盆の客…誰の子供なのかが奇々怪界だった。
君は夜…この永遠にループするような愚かさに怒り心頭。
炎…仇を取ったというには程遠いし、真相もわからずじまい。
星くずドライブ…場所はつくばかな。ちょっとあり得ない完璧な結びつきと永遠性に到達した二人に羨望した。
SINK…評価はこの作品。主人公の厭世的姿勢は男なら理解できる人は多いだろう。真っ黒な絶望と悲劇的状況でも可能性が万に一つあるのなら試してみる価値はあるとお母さんは思ったのだろう。お母さんの意思をそう解釈するのなら主人公は極めて幸運だと言えるのではないか。万に一つで生き残ったのだから。
解説は角田光代さん。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: その他フィクション
感想投稿日 : 2017年3月6日
読了日 : 2017年3月6日
本棚登録日 : 2017年2月21日

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