亡くなられてからも何冊も本が出る出る。とりあえず、新潮文庫のものだけは買って読んでいる。本書ではトータル40冊の本を取り上げながら、こころについて語られている。夏目漱石は、そういえば、誰か他の人が好きな人を好きになってしまう、そういうシチュエーションが多かったのだ。安部公房「砂の女」は本書をきっかけに読み返した。高校生のとき以来。当時は、話がしんきくさくて面白いと思えなかったけれど、いやはやすごい話だったのだ。イライラしながら読んでいるのは変わりないのだけれど。自身を主人公に投影すると、イーとなる。けれども、あきらめてこれでいいかと思えたら、ひょっとするとそれはそれで、砂の穴の生活でも楽なのかも。児童文学はもっと読んでおくべきだったと、いつも後悔している。しかし今からでも遅くない。河合先生が勧めるものなら読んでみよう。まずは「トムは真夜中の庭で」から。そういえば、30年ほど前は、森毅先生が勧める本をいくつも読んだものだ。私が読んで紹介した本を、「先生あれ読んだで」と言ってくれる生徒が出てくると、うれしくてたまらん。
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河合隼雄
- 感想投稿日 : 2014年9月25日
- 本棚登録日 : 2014年9月24日
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