東京するめクラブ 地球のはぐれ方 (文春文庫 む 5-8)

  • 文藝春秋 (2008年5月9日発売)
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感想 : 70

――近場の秘境、パラダイスを徹底探検――と帯には書かれています。パラダイスと言えば桂小枝の専売特許と思えきや・・・村上春樹たちがパラダイスを探検というのです。ただし、近場と言いながら、そこにはハワイやサハリンの話が出てきます。名古屋のあんかけスパゲティーとかブラジャー丼とかもおもしろいけど、なんと言ってもサハリンが興味深い。「地球の歩き方」にしても「遠い太鼓」にしてもなかなか自分ではいけないところに連れて行ってもらえるからガイドブックとか紀行文は読んでいて楽しい。サハリン=樺太。もともと日本人も住んでいたけど、いまはロシア。北海道からすぐのところにあって、自然環境は北海道そのモノ。でも市場経済だったり文化は全く違う。このところ石油などの天然資源が見つかりインフラも急速に整ってきているようだけど、道が悪くてガタガタで長時間は車に乗っていられなかったとか。「行ってみたい!」とまでは思わないけれど、世界には(日本にも)まだまだ知らないところがいっぱいあるなあと気付かされた一冊です。三人の鼎談はともかく、順番に執筆されているところでは、少し肌に合わない文章もあり、ちょっとムズムズしてしまいました。まあその辺は飛ばし読みすればいいのだけど。

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 村上春樹
感想投稿日 : 2015年3月23日
本棚登録日 : 2015年3月23日

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