マイクロソフト戦記: 世界標準の作られ方 (新潮新書 298)

著者 :
  • 新潮社 (2009年1月1日発売)
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本棚登録 : 218
感想 : 37
2

私の時代のPCたちがどのように創られ、
どの様に勃興没落して行ったのか、
舞台裏をのぞくことが出来る本。

うまい文章とは言えないが
独特のセンスが読みやすい印象を与え
読み進むのは速かったが、
いまいち、論旨が見えにくく
「だから、なんなんだ?」
という感想がわいてしまうのが残念。

結局、ここで言うデファクトスタンダードは
常に限定されたPCのOSでのケースに限られ、
その他の業種においては全く一般化出来ない
と言う事は言えるし、
彼の主張する条件に当てはまらなくても
現実にデファクトスタンダードは成立しうる。

そういう意味では、
全く、役に立たない本だが、
歴史物の様に、
業界の企業同士の協力・敵対関係や
人脈が織り成すOS戦争は、
同じ時代をリアルタイムに生きてきた私に取っては
得も言われぬ興奮に満ちていた。

PC-88,DOS,MSX,MAC,Windows3.1,95 ,OS/2,NTと、
様々なOSと共に歩んできたからこそ
そこに隠されたドラマには
心惹かれずにはおれない。

ゼロックスがGUIの元祖だったことや、
NTのベースがOS/2だったことは
この本で初めて知った。
その背景についても本書では
興味深く描かれている。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: その他
感想投稿日 : 2010年9月20日
読了日 : 2010年8月25日
本棚登録日 : 2010年9月20日

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