鬼畜の家

著者 :
  • 原書房 (2011年4月25日発売)
3.47
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本棚登録 : 527
感想 : 104
4

アマゾンで真梨幸子や湊かなえ、沼田まほかるあたりの著作を検索していると、
リコメンドに必ず表示される本がこの作品。ずっと気になってはいたのだが、深木章子
という作家は初めてであり、出来れば文庫で読みたかったのだけど、いつまでたっても
文庫化の気配無し。結局我慢出来ず、ハードカバーを購入してしまいました。マケプレ
だけど。

いやもう、紛う事なきイヤミス。このジャンルは最近の大好物なのだけど、この作品は
かなり徹底してる!8割のページが私立探偵の調査実況で捜査される側の一人称語りで
構成されているのだけど、ここに登場する悪意の種類が凄いったら無い。
嫁姑確執・公文書偽造・保険金詐欺・近親相姦・ロリコンなど、考え得る全てを網羅。
見世物小屋のような悪意のショーケースを眺めているかのよう。

にもかかわらず、読了後の嫌悪感をあまり感じ無いのは、ミステリーとしての組み立て
がかなりすばらしいこと。終盤に入ってからの真相究明部分は正直僕の予想を遙かに超
えていたし、エンディングの静かな狂気的な描写もグッと来る。いくつか拾えきれてい
ない要素もあるのだが、ここまでやってくれれば全く問題無い。

この作家、著作は今のところもう1つ。しかも、同じ私立探偵が登場する模様。
・・・イヤミス愛好家としては読んでおくべきだろうな、やっぱり。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリー
感想投稿日 : 2012年12月20日
読了日 : 2012年12月20日
本棚登録日 : 2012年12月20日

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