水鏡推理 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2015年10月15日発売)
3.62
  • (9)
  • (18)
  • (21)
  • (4)
  • (0)
本棚登録 : 144
感想 : 13
4

「万能鑑定士Qの事件簿」や「探偵の探偵」でお馴染みの
松岡圭祐作品。僕に取って初の松岡作品は、タイトルが印象深い
「水鏡推理」をチョイス。予備知識の全く無い状態で読み始めた
のだが・・・。

推理という技能に優れた一般職の国家公務員(女性)が、
研究における不正行為・研究費の不正使用に関するタスクフォー
スに配属され、詐欺まがいの助成金目的研究を次々に暴いて行く
物語。

記憶に新しい「晴子騒動(aka.STAP細胞)」等の事件を逆手に
取り、これらを追求する側の物語を描く、という設定が非常に
斬新。上記の晴子の件もSTEP細胞として登場するし、その他に
も最近の時事ネタがたくさん。生々しい殺人事件系は一切起こら
ないのだが、そういうのを凌駕するスリルとサスペンスを味わえ
る良作。

難があるとすれば、サブメニューの恋愛系の流れが上手く行きす
ぎなところぐらい。気にしなければ気にしないで済む問題だから、
突っ込む必要も無いのだけど。

松岡圭祐ってもっとラノベ的な匂いのする作家だと思っていたが、
どうやら勘違い。こうなったら万能シリーズとか探偵探偵シリー
ズも読破しちゃおうかな?かなりオススメ。読むべし!

ただまぁ、STAP細胞は僕の心の中にちゃんとあるけど♪

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリー
感想投稿日 : 2015年11月22日
読了日 : 2015年11月18日
本棚登録日 : 2015年11月22日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする