よしもとさんの小説は「キッチン」しか読んだことが無く、あまり作家自身の人となりの想像がつかなかったのだが、「ごはんのこと」は、私の読みたい話なので手に取った。
お子さんが2歳から6歳の頃に、隙間時間を見つけてはこつこつと書かれたというから、重い話あり、かわいいエピソードあり、「お店」というものに対するあれこれの感想や、もちろん、お子さんのことも時々出てきて、『こんな本でした』とひとまとめに紹介するのは難しい。
そもそも、人間の生活を語ろうとしたら、食べ物の話題は切っても切れないのだから、なんというか、「全ての道はローマに続く」と同じように、食べ物の話に通じるのかもしれないな…
などと思いながら読み進むと、やがて、あとがきと思われる、最後の話になった。
やはり、「食べ物の話を書こうと思った」とは書かれていない。
日常、思ったり感じたことを書きためたら、食べ物の話ばかりになってしまった、という所ではないのだろうか?
体が弱く食の細い母上に「あなたのエッセイを読むといつも食べもののことばっかりで、具合が悪くなる」と言われ、イヤミでこの本を捧げますと書かれているから、明るいイヤミと開き直りで「ごはんのことばかり…」というタイトルにしたのだろう。
私も、「美しいアジアの一端を担う日本人」として、自分なりにごはんに小さなこだわりを持ちたいと思う。
ごちそうさまでした。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2016年7月12日
- 読了日 : 2016年7月12日
- 本棚登録日 : 2016年7月12日
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