チャリング・クロス街84番地: 書物を愛する人のための本 (中公文庫 M 252)

著者 :
制作 : ヘレーン・ハンフ 
  • 中央公論新社 (1984年10月10日発売)
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本棚登録 : 739
感想 : 100
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書簡のやりとりの妙が随所に見られる。
江藤氏曰く、読書は消費とのこと。そうなのか。考えも及ばなかった。
吉祥寺の本屋で見つけた本だが、図書館で借りて一通り読んでみて、手元に置いて読みなおしたい本だと思った。
1949年に始まる最初の手紙から1969年のエピローグまで本の注文のやりとりはもちろんのこと、戦後のイギリスの日常の窮状が垣間見え、アメリカとは対照的で興味深い。
なにより、手紙の書き手の心情が言葉の端々にみえるところは秀逸。読み手が想像しながら手紙を読む、という至極当たり前のようで今や失われつつと感じる行為に心が動かされた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年9月6日
読了日 : 2020年9月6日
本棚登録日 : 2020年9月6日

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