部分的かつ個人的な感想。批評というメソッドで、自分流の肖像画を描くことが結局達したい目標なのだと語る小林に対し、「つくるか、信仰するか、どっちかですよ。」と食ってかかる坂口安吾。いかにも彼ららしすぎて、「え、これ、誰かが妄想で書いた同人誌じゃないよね?本当にあった対談だよね?」と疑いを持ってしまった(笑)。昔、小林秀雄の書いたランボオ評を読んで、こんな風にランボオを好きになってみたい、こんな風に鑑賞したいと思ったのだが、実際原文でよんで、同じようには感じられなくて(いいとは思ったけど感動のツボが違った)、がっかりしたのだけれど、それはジヴェルニーの庭園を見ても、モネの「睡蓮」を見たときのような感動はないのと一緒で、結局私は彼のタッチが好きなのだな、と思った次第。
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評論
- 感想投稿日 : 2012年1月6日
- 本棚登録日 : 2012年1月4日
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