建築について話してみよう

著者 :
  • 王国社 (2007年9月1日発売)
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感想 : 10
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まず思うのは、「建築について話してみよう」っていう甘ったるいタイトルが嫌。
とんでもなく強い大きなものを作っているのに、無責任な気がして嫌。
建物を見るときの視点もそれほどおもしろくもないし。
でも実際に作っている作品はそれなりに素晴らしいもの多いみたい。
まぁ読みやすかった。でもこんな文章しか書けないのかと思うとやっぱり・・・。
悪い言い方をするとバカっぽい。すいません・・・。

P.21
――スタイルを壊したいと思うことはないのですか。
それはありますよね。創作活動というのは原理的に、新しさに向かっていくものなのです。過去とまったく同じだったらそれは創作とは呼べないわけです。つねに僕は新しいものを求めたい。ただ、同時に、一人の人間が建築を考え続ける限り、ある一貫性は必ず出てくると思います。それは壊すとか壊さないとかそういう問題ではないですね。

P.25
――学生についてはいかがですか。
見方とか読み方というのは、自分で創造しなければいけないものであって、批評とはもっとクリエイティブで、それは圧倒的に個人のものなのです。モノの見方を公共のところから拾ってくるのはダメなのです。情報を利用してfoaとかフェリーターミナルとかいものがあるという事実を知ることは重要だとは思うんですけど、その読み方まで学んでしまってはいけない。建築は、そんなプロのジャーナリストみたいに完璧にスマートに眺めてしまってはいけなくて、もっと素朴にというか普通にというか、もっと原始人が眺めるように建物を眺めるべきなのです。

P.43
意味なく謝らないこと――誰がどう見ても不自然で非合理的な解答を、何か大変自然で合理的なものにひっくり返していくその気迫は、実務で何かとトラブってしまう日本人建築かも案外見習うところは多いかもしれない、という気がしたのであった。
ちなみにそういう意味では、もしそういうデザイン手法を日本の学生が自分のものにしようと思うのなら、まず第一に、いきなり謝ったりしてはいけないと思う。根拠なしに謝ったりしないこと、異常事態を論理的に必然化していくチャンスを怠らないこと、それがああいったダッチ・デザンを実現していく最低条件である気がする。

P.83
建築の原則とはなにか。大きく分けて二つあることに気付いた。
1.「建物をどうつくるか」という意味の建築原則。建物の原則をつくること。
2.「建物の使われ方」についての建築原則。使いたくなるかどうか、使いがいがある空間であるかということ。

P.123
昔ぼくらは、建築の原則は平面とか空間構成とかからやってくると考えた。いまはちょっと変わってきた。構造、空間的関係性、プログラム、環境、風景、といったことをしばらく考えているうちに、建築の原則がはっきりしてくることが多くなった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2009年 文庫・単行本
感想投稿日 : 2009年7月20日
読了日 : 2009年7月20日
本棚登録日 : 2009年7月20日

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