【内容】
ケニアに数ヶ月いた縁からか,山本翠,ペンネーム:棚のところにアフリカ ウガンダの取材企画が来る.
ちょうどアフリカに関する本を読んでいたことやその本の著者がケニアで知り合った片山海里であったこと,彼がすでにこの世に居ないと知り,彼の遺作を通して死因にも興味が出たことから,企画を受け,並行して彼の足跡をたどろうとする.
【感想】
物語がアップダウンなく,トントン拍子で進んでいくところ,最初から神妙な気持ちで読んでしまいました.
最後に棚が言った,「死んでから,本当に始まる「何か」がある気がする.別の次元の「つきあい」が始まるのね,きっと.」という言葉が印象的でした.
死者の物語…鎮魂曲であったり,考古学的に足跡をたどることだったりと,故人と生きている自分の関わり方が出てくるのは後半からですが,この関係は過去から流れてきた伏流水だと考えれば,前半からすでにこの神妙な感じがにじみ出ていて,影響されてしまったのかなと思いました.
誰のレビューか忘れてしまいましたが,「沼地のある森を抜けて」が生の物語で「ピスタチオ」は死の物語,という感想があって,そういう対比も面白いなあと思いました.
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2012年11月11日
- 読了日 : 2012年11月11日
- 本棚登録日 : 2012年11月11日
みんなの感想をみる