あとがきで先生が「シンデレラストーリーをイメージしてみた」と書かれている通りの内容でした。特に肩に力を入れずとも、さらっと読める作品で、評価は、そういう作品を読みたいかどうかで分かれるのかなと思いました。
当方は、「饒舌に夜を騙れ」シリーズや、「甘い水」など、規律が厳しい集団を題材にした先生のお話が好きで、そうした作風に慣れていたので、今作のふんわりとした空気感が他の作品とあまりに異なっているように感じ、そのギャップに戸惑ってしまいました。そして戸惑いながら、先生には極限の状況で信頼しあう人間同士のやり取りを書いていただきたいんだな、そういう作品を読めることを期待していたんだなと気づきました。
尊敬する先生には書きたい作品を書いてほしいと思う一方で、色々なジャンルが書ける先生の場合、または色々なジャンルに挑戦したい先生の場合、こちらが読みたいと思っているジャンルの作品ばかりが発表されるとは限らない・・・ファンとしてのジレンマを感じました。ただ先生が書きたいと思わないタイミングで期待するジャンルの作品を書いてもらっても良い作品になるとは思えないので、先生に1日でも長く創作活動を続けたいと思ってもらえるように、購入したり読んだりを繰り返しながら、読みたいジャンルの作品が発表される日を気長に待っていきたいと思いました。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
BL
- 感想投稿日 : 2023年6月4日
- 読了日 : 2023年6月4日
- 本棚登録日 : 2023年6月4日
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