「奇想本」を並べるの好きですが、この本もそんなコーナー向き。東京の古武術もあわせ持つ茶道(!)の家元の少年が、家業を嫌って高校卒業と同時に京都へ家出。それも、京都自体が家業的雰囲気で好きでなかったはずなのに、成り行き。しかも出合う人が事ごとに「お茶」好き。となると、隠しても、じわっと目立ってしまう、身に付いてしまった「才能」の輝き。普通になりたいのになれないおかしさ、ユーモア。でも意外な方面からの「お茶」の入門書かも。この設定の「奇想」が、荒唐無稽の展開の中に、なぜか事のエッセンスに迫ることとなります。
芥川賞作家が取り組んだエンターテイメント青春小説、やはり奥が深そうですね。
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カテゴリ:
物語・名作文学etc.
- 感想投稿日 : 2012年5月6日
- 本棚登録日 : 2012年5月6日
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