小田嶋隆のコラム道

著者 :
  • ミシマ社 (2012年5月21日発売)
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感想 : 92

コラムの名手と言われる小田島さんが書いた
「コラムの書き方」の本ですね。
具体的なノウハウというより、
コラムに対する考え方が中心かな。
読んでて勉強になるのは当然だけど
笑える箇所も多くて楽しめますよ。

・もともとコラムとは新聞紙上で、新聞社の外部の人間が
書いたものを、ひとめでわかるように囲みをつけたもの。

それによって新聞社として責任を取りたくない、
私的で偏見のある文章も掲載できるようになった。

つまり、新聞記事のように情報を正確に伝えるという
目的はコラムには必要ない。

個人の主観たっぷりに書いたものこそがコラム。

「非常識な方法で常識を語り、規格外の物言いで素朴な心情を語る。」

個性と普遍性、どちらも必要。

・文章を書くという過程を通じて、人は初めて論理的にものを考えるようになる。

原稿用紙20枚分になる分量の論考を、自分の頭の中だけで組み立てられる人間はほとんどいない。

文章の力を借りることでそれは可能になる。

文章は思考の過程を書き残す事で、思考の到達距離を広げるツール。

ひとつの文章を書き終えると、その文が表現していたところが、書き手にとって次のステップへの足場となる。

・書くことのモチベーションは書くことによって維持される。

モチベーションはビンの中の液体ではない。使ったらその分減るというものではない。

定期的に搾乳しないと生産しないと生産をやめてしまう牛の乳や、汲み出し続けていないとかれてしまう井戸みたいなものだ。

アイデアも全く同じ。
2016/11/27 19:30

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感想投稿日 : 2017年7月4日
本棚登録日 : 2017年7月4日

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