陰獣 江戸川乱歩ベストセレクション (4) (角川ホラー文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店 (2008年11月22日発売)
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本棚登録 : 798
感想 : 51
5

「蟲」が読みたくて再読。

陰獣がいちばんすきなんだけど、
乱歩の中でもかなり良作でビギナーにもおすすめな「陰獣」といちばんの変態作である「蟲」を一緒に収録するか!?角川よ!と思ったのだが(盲獣、闇に蠢くあたりも相当に変態だが)。まあお得ではあるかな。

「悪魔の恋であった。地獄の恋であった。それゆえに、この世のそれの幾層倍、強烈で、甘美で物狂おしき恋であった。かれはもはや芙蓉のなきがらと別れるにしのびなかった。彼女なしに生きていくことは考えられなかった。この土蔵の厚い壁の中の別世界で、彼女のむくろとふたりぼっちで、いつまでも不可思議な恋にひたっていたかった。」(「蟲」より)

…なんか切なくなる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 再読
感想投稿日 : 2019年8月9日
読了日 : 2019年8月9日
本棚登録日 : 2019年8月9日

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