下世話の作法 (祥伝社黄金文庫)

  • 祥伝社 (2011年9月1日発売)
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R3.2.4 読了。

 「日本人が本来持っているはずの『品』とか『粋』とか『作法』とかについて、『下品』を自認するオイラが自分なりに考えてまとめた本だ。」…(本文中より)
 ここで述べられていた大切なことは「俺が何度も言っている作法とは、突き詰めると『相手を喜ばせること』なの。相手を傷つけない、相手を嫌な気分にさせない、相手を立てる。そのために気を使う。気遣いは押しつけない。できれば気を使っていることを、相手に分からせないぐらい気を使う。それで結果として相手を喜ばせればいい。逆に相手が怒ったら、作法に外れていることになる。(本文より)」でした。
 作法というと茶道や華道を思い浮かべる程度でした。当たり前のことですが、挨拶をする、共用の場所を使ったら片づけをきちんと行う、ゴミをポイ捨てしないなど、自分の出来ることをやっていきたいですね。

・「『傷ついた相手に敬意を表する』姿勢が日本人の原点なんだ。」
・「『成功』の秘訣は『いちばんなりたいものにならないこと』だよ。商売でも何でも、いちばんなりたかった職業に就いたとたん、そいつの人生は終わってる。だって、なりたいと思うものになれたんだから。その先には何もなくなってる。」
・「ひとつのことにこだわって情熱を傾ける人たちをオタクと呼ぶとしたら、オタクになれるのは実にすごいことだと思うよ。ひとつのことに情熱を注ぐっていう、そういうことのできる状況を自分でつくりだしたわけだから。」
・「今のやつが決定的にダメなのは、夢は見るけど何も努力しないし、繰り返すけど夢がかなわないのを他人のせいにしちゃうことだよ。」
・「下足を揃えるとか、基本的で伝統的な作法っていうのは、社会としてみんながちゃんと生活するためにできている振る舞いだから、実に無駄がないんだ。人間関係に則った振る舞いで、人間が生きるのに一番都合よくできている。それをなんか古くさいもの、面倒くさいものだとして敬遠するのは間違いだと思う。」
・「職人の作法にはずれるようなことはしたくない。その誇りが品格になる。それで品格を壊しにかかるのはカネなんだ。だから銭は悪魔のように汚い。」


 

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 作家名
感想投稿日 : 2021年2月5日
読了日 : 2021年2月4日
本棚登録日 : 2019年12月4日

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