ノウハウも参考になります。
しかし、本書ではぜひ作者の生い立ちや考え方を深く読み取るべきだと思いました。
最も感じたことは、自己啓発の重要性です。
いるものか、いらないものか。
それが自分にどう必要で、どう必要でないか。
いつ使って、いつ使っていたか。
けれどもそれはモノに必要性を考えるのではなく、自分にとっての必要性を考えることと言う意味です。
「私にとってこの子(モノ)は何なのかな?」
その問いに対し答えられるかどうかが、付き合って行くものと自分との関係性でしょう。
それを作中ではIN(必要なもの)とOUT(不必要なもの)と言ったり、現役かベンチ入りか引退か・・・などと分けます。
また、INとOUTの流れを知ること。
買い癖やため癖を知ることが溜めないことにつながると言っています。
こういった部分で、片づけることを根本とするのではなく、もっと違う目線を見出すべきだというのが読みとれます。
作者の生い立ちで自己啓発の一環として片づけにたどり着いたというのも感じられ、本書を読んで同じように自己啓発ができる方はどれくらいいるのだろうとも感じました。
少し話は変わりますが、心理学の基本的なものに、解決志向ブリーフセラピーという短期療法があります。
NLPもこの考え方に似ているようです。
クライエントの問題を聞き、コンプリメントし、例外や解決の方法(手がかり、リソース)をクライエントが探すようにカウンセラーが質問をする。
そしてウェルフォームドゴール(実現可能な目標)を考えていくという療法です。
このゴールは決して難しいものではなく、日常の中でちょっと変えていくというもの。
電気を消すことを注意深く意識してみる、とか。
他にも過去に成功したことがあれば、どうして成功したのか考えて、それを実践してみる、とか。
それを実践した時に最初の問題が解決できたか、あるいは気にしないようになったか、変わらないか、を問うというものです。
実は作者は片づけることをゴールとはしない、と言っています。
私は作者の成功の理由の一つは、作者の考える自分の性格や内面を変えたい内容の大きなゴール(上記で言うクライエントの問題)の手前に、ウェルフォームドゴール=片づけがあり、そのリソースがINやOUTといった簡単な作業だったのではと思いました。
そう考えると、作者はすごく自分の心の中で区切りが上手くでき、論理的なのだろうと思います。
片づけるということも大切ですが、そうなった時の自分を想像してみてはいかがでしょうか?
そう聞かれている本で、きっかけを作るには素敵な本でした。
- 感想投稿日 : 2011年12月25日
- 読了日 : 2011年12月25日
- 本棚登録日 : 2011年12月10日
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