芥川賞受賞作『共食い』と『第三紀層の魚』の2作が収録されています。
『共喰い』は争えない血筋がテーマの物語・・昭和後期の山口県下関を舞台に血筋の共喰いを粛々と語ります。悲しくも贖う事のできない父の罪と母の愛情・・息子の悲しみを昭和の哀愁と共に綴られていきます。
悲哀の中に鮮烈な文学がありました。
『第三紀層の魚』は時代は平成に移り関門海峡の町で・・身内の中の他人・・身内以上の他人が根底に語られていました。
そうした想いは長い年月をかけて重ねた身内の想いの第三紀層なのでしょう。
両作とも長州弁の会話が生々しく物語を浮揚させます。
こうしたタイプの文学小説は往々にして奇を衒う傾向がある作品が多い中、本作は、そうしたものを感じさせない入魂の作品でした。
読後感=芥川賞!モラットイテヤル・・・納得です。。。
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- 感想投稿日 : 2012年2月16日
- 読了日 : 2012年2月14日
- 本棚登録日 : 2012年2月16日
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