読み終わったすぐにこの本の感想を書くのは実はかなり難しいのではないか。こういった寓話で描かれた哲学書は内容を咀嚼し、吟味していく必要があるからだ。
この本は道標(しるべ)である。自分が今後どのように生きていったらよいかを示唆したものだ。だから私が通常読んでいるミステリとはその興趣が大幅に違う。
ミステリやエンタテインメント物はそのほとんどが読後にストレートに心に印象が残る。面白さの是非が解る。
がしかし、こういった人生の指南書はこれから先、自分が生きていく上で折に触れ、思い出されたり、または手に取ることになるやも知れない。
多分、十中八九、私は今日、この本の内容について寝床の中で考えるだろう。それが恐らく本書の本統の愉しみ方なのだ。
確かにシドのノームやセコイアたちへ向ける態度、四葉のクローバーを探し出すための発想は正直、びっくりした。余りにも単純なのに凡人が気付かない方法だからだ。読後の今、私が真にこの本から学んだのは謙虚さ、心をまっさらにして問い掛ける事の大切さである。
さて、幸運とは自分で下ごしらえをして向かえるものと本書では繰り返し述べられている。
しかし、私はこう考える。自分にとって何が幸運なのか、まずこれを模索する所から始めないと下ごしらえも出来ないのではないか。
今夜はまずここからじっくり考えていくことにするか。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ミステリ以外
- 感想投稿日 : 2021年2月26日
- 読了日 : 2021年2月26日
- 本棚登録日 : 2021年2月26日
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