おひとりさまの老後

著者 :
  • 法研 (2007年7月1日発売)
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本棚登録 : 1062
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個人的に作者の上野千鶴子先生って、歯に衣着せない発言をされていて好きです。
そんな上野先生が女性の老後について記述したのが本書です。結婚していても、独身でも、無理心中や自然災害、交通事故などを除けば、結局人は一人で死んでいくわけです。楽しく悔いなく死ぬにはどう老後を生きていけばいいかを、人生の先輩たる方々の生き方・暮らし方を例示しながら記述してあります。

作中にも書かれているのですが、介護のしかたや高齢化問題などは様々出版されていますが、介護される側、老後を迎える側の心構えを書いている本はあまりないので興味深く読めました。

また、親の介護に関しても、結局は、できるのにしない自分に対する自責の念であって、義理や意地、世間体はあくまでも介護する側の都合であり、ふりまわされるのは親側という考え方には、そうだろうな、と納得しました。そうは言うものの育ててもらった恩はあるので、どのように距離を保つか折り合いが難しいですが。

本書が書かれたのは平成19年。
10年以上も昔ですが、変わらないテーマですので事前準備に読むには良い本だと思います。なお、あとがきで男はどうすればいいか、少しばかり言及されているのですが、実はこの後「男おひとりさま道」として平成21年に本が刊行されています。(なお、図書館にも学生選書コーナーに入っています。)ですから、気になる方は、読んでみては如何でしょうか。

図書館スタッフ(東生駒):homusa

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帝塚山大学図書館OPAC
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読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 図書館おすすめ本 ~2017
感想投稿日 : 2017年11月25日
読了日 : 2017年8月13日
本棚登録日 : 2017年11月25日

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