カンボジアやユーゴでのPKO活動の指揮を執った明石氏へののインタビュー。紛争地域のリーダー達との、生々しい調停の有り様が語られている。ナショナリストや独裁者など、どんな相手にも敬意を払い客観・公正に物事を判断している姿勢が印象的。「国益」を重視する政治家や外交官と、地域の和平や独立を最終目的にする国連という立場の違いが見えて面白い。特に欧米からは、その慎重姿勢が批判された明石氏ではあるが、それに対しては弁解も反論も示さず、客観的に自分の判断基準のみを振り返っている。ただし、幾多の交渉相手の中でも、ニューヨーク(国連本部)のビューロクラシー(官僚主義)が、一番手強いとも言っていてた。
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カテゴリ:
新書 社会系
- 感想投稿日 : 2015年4月3日
- 読了日 : 2015年4月3日
- 本棚登録日 : 2015年3月26日
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