これからの「正義」の話をしよう ──いまを生き延びるための哲学 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

  • 早川書房 (2011年11月25日発売)
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最低でも3回は読まないと咀嚼できない1冊。正直なところ本編よりも巻末の「それをお金で買いますか」が1番消化しやすかった。(市場経済ではなく市場社会と化してる現代社会。全てを経済的価値で判断してませんか?人間にとって、人生にとって大事な物を見失っていませんか?という問いをくれる短編)

本編では正義の定義について、主に3つの仮説を検証している。第10章の後半が全体のサマリーとしてわかりやすいかも。美徳と共通善の体現こそが正義を考える上での基本原則であるとの主張。

実生活では十人十色どころか千人千色なのが現実。社会で統一解を導く事は無理。個人の主義のぶつかり合いの中で、各組織で正解のないTRY&ERRORを続けていくのが人生だと理解した。

1番刺さったのは人に頼る事、こき使われる事で漸く価値を発揮できる人間が「奴隷」であるという意見。受動的な人間は「奴隷」で一生を終えてしまうという事。自分の意見を持つ事、能動的に動く事でやっと「自分は生きてる」って言えるんだなあと。今の自分は生きながらに死んでないかな?

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2021年8月31日
読了日 : 2021年8月31日
本棚登録日 : 2021年8月31日

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