間抜けの構造 (新潮新書)

  • 新潮社 (2012年10月17日発売)
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ビートたけしが書く、日本人特有の感覚”間”について。
色々なシーンに絡めて、とても読みやすい口語体の文調だが、内容はとても深い。普段なかなか意識しないものが浮き彫りになる感覚を覚えさせてくれる、名著だと思う。以下抜粋
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・人を笑わすということは一度でも「これだ」というものをつかむことができたやつは二回、三回とできるようになる。自転車に乗るのと同じで一度覚えたら段々上手になる。乗り方を忘れちゃったというやつはあまりいないだろ。笑いもそれと同じ。
・つまり、実践をやらないやつは一切ダメ。これは芸でもスポーツでもなんでも共通するところ。
・「私の言いたいことは2つあるんです」といっておいて、「一つ目は政府の見解には反対です」といっておいて「あ、こいつの話はすぐに終わるな」と思わせておいて「二つ目」に自分の言いたいことを長めに主張する。この人うまいな、と思う。
・アートというのは職人芸からの解放。それができるのが芸術家。ところが職人みたいのは、自らの職人芸でアートを封じ込めるという。その戦いというか、しのぎあいみたいのがあるんだよ。
・だからこそ人生というのは間だと思ったほうがいいんじゃないか。我々の人生は生まれてから死ぬまでの”間”でしかない。生まれたときの点と、死ぬときの点があって人生はその間のことに過ぎない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: エッセイ
感想投稿日 : 2013年6月18日
読了日 : 2013年6月18日
本棚登録日 : 2013年6月18日

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