R3(2021)4.1-5.1
伊坂作品最長1200枚(当時)の大作。
それを年度始めの超忙しい時に読もうとして大失敗。ひと月もかかった。
なかなか進まない物語だったが、「これは[魔王』の続きだったのか!」と気付かされた辺りから一気に物語が動く。
誰もが抗えない「社会」という名のシステムの中で生きている。ときには個人の尊厳さえ失われてしまうこともある。そして、そのシステムの歯車として生きていく。
今、自分が就いている役職を離れても別の誰かがそれを埋め、業務を継続する。結果、組織というシステムは存続する。だからといって淡々と業務をこなすだけで終わりたくない。小さなことでいいから、一つでもいいから、何かをよりよく変え、自分がその役職を務めていた足跡を残したい。
なんてことを思った。
あとがきを見たら、「『ゴールデンスランバー』と同時に書いていた」とのこと。表裏一体のような物語だね、これは。
「伏線が全部回収されてスッキリ」という。「いつもの伊坂作品」とは異なる物語に賛否両論かもしれない。自分は、これはこれで読み応えがあって面白かった。
ただ一つ。
妻の佳代子はなぜあんなに強いのか?(いろんな意味で)物語前半の振る舞いはなぜなのか?
そこは謎のまま終わった。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2021年5月4日
- 読了日 : 2021年5月23日
- 本棚登録日 : 2021年4月1日
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