からっぽの闇。
生ぬるくて、どろどろしていて、じめじめした生の匂いが絡みついてくる感触。
底なしの暗闇の中で丸くなって漂うだけの男には、自ら道を切り開いてたくましく生きようとする女と共に生きる術はなかったのだな、と思う。
著者はベトナム戦争へ従軍していたと聞いていたが、だからこそこれだけの強烈な、ある種の生への執着のようなものを感じられる物語が生み出されたのだろうなと思った。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
国内
- 感想投稿日 : 2013年2月6日
- 読了日 : 2013年2月6日
- 本棚登録日 : 2012年12月28日
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