ノルウェイの森 上 (講談社文庫 む 6-9)

著者 :
  • 講談社 (1991年4月1日発売)
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本棚登録 : 3769
感想 : 343
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「多崎つくる」読んで、さらにはその感想に「村上春樹のマンネリ感がいい」とか、「部屋の掃除をしたくなる」とか書いて、以前にも全く同じようなことを書いた気がする、絶対書いてると思い探してみたら、やっぱりありました。
笑える。
ちょっと恥ずかしいけど、いちおうベスト3で、なんとなくこの作品を1位に選んでいるし、あげておこう。


(以下、2005年5月のブログより転記)


昨日、ちょっとした切っ掛けがあって、何年かぶりに村上春樹の「ノルウェイの森」を読みました。
前に読んだのは、まだ20世紀の時代だったし、今回で3、4回目くらいなんだけど、一晩で一気に読んでしまって、今さらながらにぼろぼろ泣きました。
この本で泣けたの初めてですよ。
今のこのタイミングで読んだのは、まさにこの本が読まれたがっていたのだ、としか思えないほど、すごく強く深い揺さぶりがあって、こんな話だったの?って思っちゃったくらいです。
やっぱりすごいよ、村上春樹って。

何年か経ってから、もう一度読み返したいと思う本て、実はそんなに多くない。
どんどん新しい本が出版されるし、世の中は娯楽で溢れているもの。
でも、村上春樹の本はまた読みたくなるときがあって、しかも読むたびに初めて読んだような気持ちになるんですよね。

正直な話、10代の頃とかよく理解できなくて、特別に好きだったわけでもないし、はじめて「ノルウェイの森」を読んだときなんて、「結局、人が死んで、セックスしなけりゃ、小説にならないのよね」とかなんとか、思ったもん。若かったねえ、ほんと。

改めて読み返すと、「ノルウェイの森」には「ノルウェイの森」以後の村上春樹の要素がいっぱい詰まっていて、いろいろな本を読み返したくなってしまいました。
「国境の南」とか「ねじまき鳥」とか「スプートニク」とか「カフカ」とか。つながっていくんですよ。
村上春樹のよさって、この村上春樹という普遍性にあると思うんですよね。

人生や世の中って、厄介なこととか上手くいかないことがいっぱいあって苦労するけどさ、でもすごく小さいことから日々の生活って変えられるし、そういう小さなことで人は少しずつ幸せになれるんだ、って気持ちにさせてくれる。(小確幸ですね)

これがここ数年の、わたしの村上春樹論なのですけど、そうですね、とりあえず部屋の掃除でもして空気を入れ替えることにします。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 村上春樹
感想投稿日 : 2013年5月2日
読了日 : -
本棚登録日 : 2012年12月4日

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