ふたりの距離の概算 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング) (2012年6月22日発売)
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感想 : 578
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だんだん好きになっていくシリーズ。
あの省エネ少年、奉太郎がこんなにも走り回って推理するなんて。ま、マラソン大会に参加しながらなので、走るのは当然なんですけどね。でも、最初の頃の奉太郎より今の方が断然好きです。
今回は問題が学校の外に出ました。まだまだ高校生の彼には何とも出来ないようです。でも、それは見捨てるのとは違うよって言いたいです。それに全てさらけ出すだけが、解決というわけでも誰かの為になるわけでもないなと。もどかしいし、自分の限界を感じてしまいますね。えるにしても、自分の生まれた環境はどうすることも出来ないものだし、そのことによって誰かを傷つけたり恐れさせたりしてるなんて、理不尽なことだと思います。人との距離のとりかたは難しいです。近すぎても息苦しいし、離れすぎればわからくなってしまうし、それこそお互いに見捨てた、見捨てられたと感じてしまうかもしれません。
奉太郎が今回の真相にこんなにまでも真剣に取り組んだのは、えるのことをちゃんと理解しはじめたからでしょうね。あいつが他人を傷つけるはずはないと、彼と彼女の距離は少しずつ縮まっているようですね。そうそう、えるが奉太郎の家に行ったこと、他のメンバーにお互いが何となく言いづらかったことかその証拠じゃないかしら。距離が近づくほど、2人だけのヒミツって出来るもんじゃない?うふふ。。。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本文学:著者や行
感想投稿日 : 2018年1月16日
読了日 : 2018年1月16日
本棚登録日 : 2018年1月16日

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