枕草子 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 (角川文庫ソフィア 95 ビギナーズ・クラシックス)

制作 : 角川書店 
  • KADOKAWA (2001年7月25日発売)
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感想 : 83
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冬は早朝(つとめて)。雪が降り積もっているのはもちろんのこと、はりつめたように寒い朝、火などを大急ぎでおこして、炭火を部屋から部屋へ運んでまわるのも、いかにも冬の早朝らしい。昼になってだんだん寒さが緩むと、火鉢の炭火も白く灰をかぶってしまって間の抜けた感じ。
今朝の大雪を見たら、清少納言はどういうかしら?いつの間にか、家族誰も起きてない早朝、カーテンを開けた瞬間に、まだ誰も足跡をつけていない銀世界が目の前に広がっていたときのあの感動、ワクワクした高揚感。そういうものがなくなっているなぁとふと気づきました。雪かきと電車の遅れと車の運転……ああ、イヤだなぁ、もう!と何年も繰り返し思ってるなぁと。こんなときに、ゆったりと外の雪景色を眺めながら枕草子を読み、雅な平安時代の宮廷生活を感じられたらなんて素敵でしょう。。。
とはいえ、清少納言にとって雅やかな暮らしは長くは続かなかったなんて。全く持って学生時代に習った古典や歴史は覚えてないなぁ…反省です。
この『ビギナーズ・クラシックス日本の古典』はとても読みやすかったです。そして、もっと知りたいなぁと思ったら、参考文献も載せてあったりして難しいことはムリだけど、でも勉強してみたい!と思ったわたしのようなものには、とても親切だと思いました。
わたしが、とくに気にいった随筆は、第20段『中宮様のまわりはいつも春爛漫』です。桜のもとおしゃれな中宮の兄、伊周の雅やか雰囲気が絵になって浮かんできます。この一年あまり後に悲劇は起こるのですが、『枕草子』の世界はいつもきらびやかで華やかだったそうです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ビギナーズ・クラシックス 日本の古典シリーズ
感想投稿日 : 2017年1月15日
読了日 : 2017年1月15日
本棚登録日 : 2017年1月15日

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