つぶやきのクリーム The cream of the notes (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2012年9月14日発売)
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感想 : 11
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森博嗣…最初は80代~90代ぐらいのおじいさんだと思いながら読んでいて、老人やれやれ。だなんて思いながら読んでいた。

ウィキペディアで調べてみるとおじいさんではなかった。
私の父と歳がひとつしか変わらなかった。

父は成功者で私は父を尊敬し、世の中の話や人間とは…と言ったような話をよくする。
私は小学一年生の頃に父に言われたことがある。
「お金持ちになりたかったらお金持ちの子と遊びなさい」と。
普通はこういうことを子供には話さない。

当時は何を言っているのか分からなくて私は普通に気が合う子と遊んでいた。彼女は自転車さえも持っていなかったので、私はどこへ行くのも彼女と歩いていった。

でも大人になり、仕事や現実を見てみると父が昔言っていたことが理解できたような気がした。
簡単に言えば類は友を呼ぶということだが…

家政婦つきの一億円の豪邸に住む友達とよく遊ぶようになった。
彼女とは育ってきた環境も似ていたのか凄く気が合い、18歳頃から三年ほど毎日のように遊んだ。
彼女と話す会話はだいたいビジネスの話。
これからはこういう産業がくるやらなにやら。
普通の女子はそんな話はしないと思う。

そして彼女が言った。
「お金儲けの話というのはお金持ちの中だけで終わり、その下の人までは届かないようになってるんだ、だからいつまでも貧乏なんだよ」

この言葉で父が言っていたことがリンクした。
だからと言って、私は人をお金の有無だけで判断したりはしない…どちらかというと頭の良さとデリカシーの有無で判断をするが、まだ一年生の子供にそういう話をする父、綺麗ごとを教えない父が好きだ。

長くなったが、父と歳が近い森博嗣というだけで親近感がわき、楽しく読めた。
内容も森博嗣はとても頭が良く現実的で素敵だなぁと思った。

レビューというか父へのラブレターになってしまった、やれやれ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2015年3月4日
読了日 : 2015年3月4日
本棚登録日 : 2015年3月4日

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