銃・病原菌・鉄 上巻

  • 草思社
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「銃・病原菌・鉄」というタイトルは,「鉄」を「農耕」にした方が良さそう

各地域の歴史の違いを,少数の環境要因,具体的には大陸の形状・規模と栽培・家畜に適した生物の分布で説明しようとする.そして,肥沃三日月地帯がこれらの環境要因に恵まれており,農耕を最初に初めて,他の地域を圧倒したストーリーである.

当然ながら,ヨーロッパ系が現在は他を圧倒していることの説明にはなっていないが,そのあたりの言い訳はエピローグの章ににあり,そのあたりはやや歯切れが悪い.この点で★を一つ差し引く.

そうではあるが,いろいろな定量的なエビデンスに基づいて論考を進める姿勢は親しみが持てた.ただ,ゆかりのあるニューギニアの情報は広くとりあげられているが,東アジアの知識はあまりなさそうに思えた.

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感想投稿日 : 2024年1月3日
読了日 : -
本棚登録日 : 2024年1月3日

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