ちょっと落ち込み気味の時に暗い本を読むのは危険、と、かつて「ノルウェイの森」で学んだはずなのに、内容を知らなかったとはいえまたやってしまいました。いや、「ドラえもん」の牧歌的な雰囲気から油断してたのですよね。恐るべし猫型ロボット。
どんよりというか、眉をひそめながら読み進めていたのは、多分理帆子のキャラに同情しづらかったせいかと思う(それさえも多分作者の狙いなのでしょう)のですが、フラストレーションをためた分、トップギアが入った終盤の展開にはぐいぐい呑み込まれました。ハラハラドキドキ、でもプロローグの雰囲気からして悲劇的結末にはならない。未来を約束された中でのキリキリ感。やがて収まるべき所に話は落ち着き、そして、え、ええええー!?
このどんでん返しは完全に不意打ちでした、こういうカラーの話だとそもそも思ってなかった。作品の事前情報も無く、作者のカラーもまだ良く分かってない(辻村さん3冊目です)ゆえの醍醐味ですが、いやはや鮮やかに討ち取られました。ただただ脱帽です。いやこれ凄い…。
なんだか想定外の感動に包まれてしまいましたが、それにしても、名作には名レビューが山ほど書かれるんだなと、ブクログ開いて感心しています。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説・ミステリ
- 感想投稿日 : 2019年11月4日
- 読了日 : 2019年11月4日
- 本棚登録日 : 2019年11月4日
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