観光の哀しみ (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2003年6月28日発売)
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本棚登録 : 144
感想 : 17
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以前、他の著作のレビューで「この方とは美味い酒が飲めそう」とか何とか書いたような気がするのですが、ごめんなさい、やっぱり無理かも…

日本人の観光の生態をいささか皮肉っぽく、かつ克明に描き出している秀作だと思います。思いますが、その「皮肉」がどうにも生々しくまたこまごまとしていて、どうにも肌に合わなかった感があります。

うん、言いたい事はよく分かるのですけどね。そんなに斜に構えなくても良いのに…と終始苦笑しながら読み進めてしまいました。まあ、その「苦笑」感こそが酒井さんの文章の面白さなのかもしれませんけれど。

あれこれ考えず、緩みきった頭で湯船に使って「温泉はいいね、リリスのうみだした文化の~」などと呆けていれば良いんじゃないですかね。それが旅ってもんです。

しかしまあ、ここまでディズニーに喧嘩売る著名人も珍しいですよねえ(笑)。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 紀行・エッセイ
感想投稿日 : 2016年9月24日
読了日 : 2010年8月20日
本棚登録日 : 2016年9月24日

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