突然の転勤で引っ越すことになった一家が、岩手の古民家に住んでいる座敷わらしとの出会う物語。
座敷わらしの愛らしさに胸がキュンとなる。
これまで民話や物語で座敷わらしが描かれたものを読んだが、これほど可愛らしい子に出会ったことはない。
これは赤ちゃんが持っている周りの人々を魅了する力そのものだ。
座敷わらしにはいろいろな伝承があるが、ここでは「神様へお返しされた子ども」として描かれているので、納得。
智也がおもちゃで遊ぶようすを目を真ん丸にして見つめる姿、史子(お母さん)の背中にしがみつく姿に胸がジンとなる。
お母さんのおんぶも、お菓子もおもちゃも知らないまま死んでしまった子どもなのだ。そのことを思うと切ない。
座敷わらしと出会うことで家族それぞれが何かを得て、穏やかになり優しさが満ちてくる。
これって、家に赤ちゃんがいた時と同じだなぁ。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2021年4月10日
- 読了日 : 2021年4月3日
- 本棚登録日 : 2021年4月10日
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