岬のマヨイガ (文学の扉)

  • 講談社 (2015年9月11日発売)
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本棚登録 : 280
感想 : 44
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この本の対象読者層は小学校中高学年?夫のDVから逃れてきたゆりえさんが夫の影に怯えながら生きていることをどう理解するのだろう。キツイ。

行く宛もないゆりえさん、両親を一度に亡くし言葉を失い、岩手県の親戚に預けられるために来たひより、そして不思議な力を持つおばあちゃんの三人は、東日本大震災のその日、避難所で出会う。
それから三人は家族として暮らし始めるが、穏やかな暮らしが、あの地震で封印されていた海ヘビが解き放たれ村は脅かされる。
遠野物語にも描かれた伝承の不思議なものたちや土地に棲む神々を巻き込んだ戦いになる。柏葉洋子さんのファンタジーの世界だ。
地震により封印が解かれることが物語として重要だったのだと思うが、震災の余りに悲惨な現実とファンタジー世界がぶつかり合って消化できない感じがする。
その土地に棲むものたちと人が繋がりを持つ物語は好きだし、新たな家族の繋がりの物語として心に沁みた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年1月24日
読了日 : 2022年12月2日
本棚登録日 : 2023年1月24日

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