現代小説クロニクル 1990~1994 (講談社文芸文庫)

  • 講談社 (2015年4月11日発売)
3.33
  • (0)
  • (1)
  • (2)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 34
感想 : 2

『現代小説クロニクル』も90年代に到達。全体的な作風の変化としては、個人的なこと、或いは日常的なことを書いたものが増えた印象。また、幻想的な作風の短編も増えている。
大庭みな子『フィヨルドの鯨』、多和田葉子『光とゼラチンのライプチッヒ』、笙野頼子『タイムスリップ・コンビナート』が幻想的なものに分類されるだろうか。『タイムスリップ・コンビナート』が前から好きで、一度、海芝浦に行ってみたいのだが、作中にもある通り、東芝が休みだと本数が激減するのが悩みどころ。
鷺沢萠『ティーンエイジ・サマー』は非常にナイーブな青春小説。直後に収録された山田詠美『晩年の子供』もある種の青春小説だが、印象がまるで違う。この収録順は面白い。
後藤明生の『十七枚の写真』も、記録文学的でありながら、最後の1枚でいきなり印象が変わる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2015年4月23日
読了日 : 2015年4月23日
本棚登録日 : 2015年4月10日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする