『現代小説クロニクル』も90年代に到達。全体的な作風の変化としては、個人的なこと、或いは日常的なことを書いたものが増えた印象。また、幻想的な作風の短編も増えている。
大庭みな子『フィヨルドの鯨』、多和田葉子『光とゼラチンのライプチッヒ』、笙野頼子『タイムスリップ・コンビナート』が幻想的なものに分類されるだろうか。『タイムスリップ・コンビナート』が前から好きで、一度、海芝浦に行ってみたいのだが、作中にもある通り、東芝が休みだと本数が激減するのが悩みどころ。
鷺沢萠『ティーンエイジ・サマー』は非常にナイーブな青春小説。直後に収録された山田詠美『晩年の子供』もある種の青春小説だが、印象がまるで違う。この収録順は面白い。
後藤明生の『十七枚の写真』も、記録文学的でありながら、最後の1枚でいきなり印象が変わる。
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- 感想投稿日 : 2015年4月23日
- 読了日 : 2015年4月23日
- 本棚登録日 : 2015年4月10日
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