男役

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店 (2015年2月28日発売)
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本棚登録 : 398
感想 : 77
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宝塚大劇場には50年の昔に公演中に悲劇の事故で亡くなったトップスターの亡霊ファントムさんが棲みついており、生徒の間ではあらゆる伝説が語り継がれていた。
研3で新公主演に抜擢された永遠ひかるは責任や仕事にいっぱいいっぱいの毎日の中、舞台での失敗をファントムさんに助けてもらった時から、その存在を感じ始める。彼女はファントムさんの事故の時の相手役の孫で、ファントムさんは自身の死後、宝塚から目を背けるように退団して以来50年間一度も劇場に来ない永遠ひかるの祖母を心配していた。

軽いノリですぐ読めちゃうし、宝塚あるあるもあって、まあまあ楽しく読みました。でも、秘密の花園である宝塚の内部事情を一般人の妄想で描かれるのはちょっと痛いし恥ずかしいのでした。とは言えちょこちょこ小説として面白いドラマもあったかなあ、何回か不覚にも涙ぐむ場面もありました。ただ、ひかるの成長物語と思いきや、ラストはすみれの男役像の完成で終わるし、で、何の話だっけ?となりました。作者あとがきには宝塚の『男役』へのオマージュ、とあったけどファンの妄想以上の何かが書けていたかと言われると何とも…

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2018年12月24日
読了日 : 2018年12月24日
本棚登録日 : 2018年12月24日

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