ひりつく夜の音

著者 :
  • 新潮社 (2015年9月18日発売)
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本棚登録 : 219
感想 : 35
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小野寺離れというか、最近積極的に手を出さなくなった作家さん。図書館でたまたま目に入って読むことにしたのですが、これがなかなか良く。
主人公は中年のディキシーランド・ジャスのクラリネット奏者。バンドは解散し、音楽教室の教師として無気力に細々と暮らしている。そこに伸び盛りのギタリストである昔の彼女の息子が現れて・・・という話。
ディキシーランド・ジャスには興味もないけど、コンサートの雰囲気などはすごく伝わってきます。全体的には大きなうねりは無く、むしろ淡々と綴られる物語~如何にも小野寺さんらしい~なのだけど、いつの間にやら引き込まれます。設定上の無理もあるのだけれど、それがあまり気になりません。
世の中の片隅に生きる中年男の、どこか爽やかな再生の物語です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 一般
感想投稿日 : 2022年8月5日
読了日 : 2022年8月4日
本棚登録日 : 2022年8月5日

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