「なぜ本を読むのか?」
「文学の何がおもしろいんだ?」
という疑問に又吉さんならではのアドバイスを提示してくれる本。
冒頭の父親との忘れられないエピソードが既に私も忘れられそうにありません。
太宰、芥川、三島、谷崎潤一郎に夏目漱石などの近代文学や遠藤周作、古井由吉、町田康、西加奈子、中村文則らの現代文学の紹介を、又吉さんの読書体験になぞらえて紹介してくれます。
「文学は、本は、賢い人達のためにだけあるものではありません」と彼が言うことがしみじみよく分かります。
本が友達になったり、答えを教えてくれるわけではないけれど、確実に、そこにこれまで誰にも理解されなかった自分の気持ちがある、と思えたりまた、全く思いもしなかった視点に出会えたり、同じ本でも読む時期によって刺さる箇所が違っていたり、自分自身と出会える、向き合える、そんな役割が読書なのかな、何よりも楽しい、そうだよねって思える本でした。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2021年11月16日
- 読了日 : 2021年11月16日
- 本棚登録日 : 2021年10月13日
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