(No.12-36) 日記です。
内容紹介を、表紙裏から転載します。
『大震災の翌日、福島第一原発から20キロメートル圏内に住んでいた、小学校6年の門馬千乃(ゆきの)さんは、父を残して、母親、ふたりの弟、祖父母らとともに、住みなれた南相馬市小高区を後にしました。
これは、被災した福島県南相馬市の3きょうだいによる、震災後の生活を書き記した日記です。』
あれから一ヵ月後に千乃さんは中学生になりました。
その間の身の回りの激変の様子が、とても冷静に書かれていて感心しました。
原発事故のためどこへ行くのか分からない中での避難。あちらに行き、こちらに行き、そして避難所へ。
「以前テレビで見た避難所と同じだった」というのが印象的でした。日本では始終災害が起きていて、避難所のことはテレビで報道されることが度々あります。ちゃんと見てたんですね。
次の避難場所をどうするのかお母さんは県に電話で相談したりしているのに、返事がはっきりせず苦労していることも千乃さんは知っています。
自分がどの中学に進学することになるのか不安なのに、一生懸命前向きに考えていていじらしいと思いました。
新しい生活に慣れていく中で、度々出てくる回りの人たちへの感謝の言葉。本当にしっかりした良い子達です。
日記には避難生活何日目と書かれていますが、100日目を越えたあたりから「普通の生活」になった感じです。
門馬家は原発から20キロ圏内。このまま、避難でなく、戻らないということにもなるかもしれません。
最後の方で千乃さんは「これから、日本には、原発がひとつもなくなっていくと思う。」と書いています。事故のためにこんな目にあった千乃さんがこう考えるのはごく当然でしょう。止まっている原発を稼動させようとする最近の動きを、彼女が納得するように説明できる人がいるでしょうか?
きぼう日記の最初にあった日本地図をじっくり眺めてみる。
福島第一原発からの距離って、福島県の端っこより宮城県や茨城県の端っこの方が近かったりする。
青森県と愛知県って、福島第一原発からの距離は同じくらい。日本ってやっぱり狭い・・・。
- 感想投稿日 : 2012年4月27日
- 本棚登録日 : 2012年4月27日
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