ケモノの城 (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社 (2017年5月11日発売)
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本棚登録 : 2907
感想 : 200
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ストロベリーナイトの誉田哲也が、北九州一家連続監禁殺人事件をモデルに書いた小説。
文章は平易だが内容がグロテスク。一気に読ませてしまう力強さはあるものの、一人称で語られる虐待シーンがなんかエロい薄い本みたい。
冒頭に出てくる恋人たちがどうなるのか心配でハラハラさせられて最後まで興味は尽きない。
犯人はものすごく悪い人であるはずなのに、いざ死人が出ると狼狽えて他人に責任をなすりつけようとする。結局のところ、自己愛のゆがみなんだろうけど。
彼の狂気が被害者にも感染するかのような描き方は分からなくはないが、実際の事件の生き残った人のことを考えるとこの終わり方はどうなんだろう?とも思った。
物語とはいえ、まだ大昔とは言えない関係者も沢山生きてる事件だから。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2017年7月22日
読了日 : 2017年6月26日
本棚登録日 : 2017年6月26日

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