思い、思われ、振り、振られ。顔に出来たニキビの位置で一喜一憂してたあの頃がぶわわっと鼻先にやってきた、そんな感じ、久しぶりだ。新しい環境に飛び込んでいくのはいつだって不安。オトナになってそれなりに経験値が上がってる今でもそれは変わらない。学生時代なんて想像を絶する苦労なんだから。だって自分を取り巻く世界はあまりにも狭くて小さくて、だからこそ立ち位置を確保するのは必死なのだ。
転校生と呼ばれる種族にかなり長い間属していた私だから、主人公・鮎子の苦労はわかる。姉から「要領がいい」と揶揄される鮎子だけれど企業努力と呼んで欲しい。「和を乱すモノ」は罪と認識される世界を生き抜くのは大変なのだから。
転校生として忘れられていく自分と、転校生として認められていく自分。どちらも「ワタシ」に変わりないはずなのにね。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2013年4月16日
- 読了日 : 2013年4月16日
- 本棚登録日 : 2013年4月16日
みんなの感想をみる