西郷隆盛と明治維新 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社 (2013年4月18日発売)
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本棚登録 : 159
感想 : 20

「攘夷」にあまり関心を持たない「国民議会」論者としての西郷を描く。特定の人物を取り上げるのは著者にしては珍しく、異色作にも思えるが、幕末から戦前昭和の80年の間に活躍した政治家の中で最も尊敬するのが西郷との事。近現代の大家である著者のこういう発言には少々イガイ感がある。内容的には新しいとまでは言えないが、通説というか俗説を修正する論考にはなっているように思える。
ただし、やはり西南戦争は著者にとっても不可解らしく、歯切れが悪い。「大儀」が存在しない反乱ではあったが、それなりの勝算はあったと。ただし、川村純義と樺山資紀の裏切りに期待していたというのはあまりにも他力本願であり、時節を読み誤ったとしか言いようがない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2020年6月6日
読了日 : 2020年6月6日
本棚登録日 : 2020年6月6日

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