現在の関ケ原の認識のルーツとも言える120年前の本だが、時代を感じさせずよくできている。著者の想像・妄想も程よく盛り込まれ、単なる分析本ではなく、小説のような読み応えがある。よって、どこまでが史実かは怪しいが、そんなにデタラメな本でもないという印象。小説やドラマや映画はこの本をベースに色々脚色して創作されているんだろう。
ただし、東西どちらかに肩入れするわけでもなく、それなりの客観性もあってロマン主義的でもないので、内容的にはドライだし、裏切り、抜け駆け、騙し合いの連続でもあるので、イザという時の人間の本性に読んでいて少々凹むところもある。右往左往したり、打算で動いたりする人が大勢いて、誰が敵か味方かもわからない状況の中、信念や筋を通そうとする人もいて、男だけじゃなく、女も生き様が問われる出来事であった事がよくわかる。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2017年9月11日
- 読了日 : 2017年9月11日
- 本棚登録日 : 2017年9月6日
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