現在生じている米中韓露との外交問題について歴史的経緯が理解できるように書かれている。内容的には概ねオーソドックスで所々に多少の皮肉はあるものの全体的にはイデオロギー的に中立でクセがなく、図解もあってわかりやすい。池上彰のTV番組では物足りない人向けで、題名の通り教養として知っておくべきレベルの内容だろう。
本書で印象的だったのは、中韓の反日感情を「歴史レジェンド」として会津市民の反薩長感情に準える記述である。これには唸らされたし、しばらく考え込んでしまった。両者は構造的には同じなのかもしれないが、その性質は異なるようにも思える。作り上げられた歴史認識をどのように変更させたらよいのかが本書の重要テーマらしいのだが、歴史認識問題の難しさを違った形で思い知らされた。
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- 感想投稿日 : 2020年7月15日
- 読了日 : 2020年7月15日
- 本棚登録日 : 2020年7月15日
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