トーベ・ヤンソン『ムーミン谷の彗星』(講談社文庫、1978年)は彗星が地球に接近し、地球が滅ぶと大騒動になる。ハレー彗星騒動を下敷きにしている。ムーミンのシリーズとしては『小さなトロールと大きな洪水』に続く二作目である。
ムーミントロール達は彗星を調べに山の上の展望台に出かける。途中でキャンプしていたスナフキンに出会う。これがムーミントロールとスナフキンの初対面である。スナフキンは人間に見えるが、ムムリクという種族である。
山の上で石を転がすと下では大惨事になることがある。その危険が描かれる。「大失敗だ。あれは人ごろしだ。あの石が、スノークのお嬢さんの顔にあたったら」(92頁)
彗星接近の影響で川の水が干上がる。スノークのお嬢さんは水がなければ「ジュース・スープをつくりましょう」と言う(107頁)。マリー・アントワネットの「パンがなければケーキを食べればいいじゃない」を連想する。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2023年12月30日
- 読了日 : 2023年12月30日
- 本棚登録日 : 2023年12月30日
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